インタビュー

折紙の科学

講師:舘 知宏先生/東京大学大学院総合文化研究科 広域システム科学系

日時:11月24日(月・休)10:30~12:00

場所:21KOMCEE West レクチャーホール

講座内容

折紙は,国際的な芸術であり,数学・科学・工学の領域を横断して発展している最先端の研究分野でもあります。折紙を計算し設計可能とする『計算折紙』は,これらの領域の橋渡しをする重要な役割を担っています。計算折紙により,自由な形の折紙や変形メカニズムを設計する事が可能となってきました。どのように折紙の形を扱い,計算・設計・構築可能とするのか,そして,どのような応用が可能かについてお話しします。

講師略歴

2005年 東京大学工学部建築学科卒業

2010年 同大学院工学系研究科博士課程修了、同年より現職。図形科学を教える。さきがけ研究者。

折紙の数理研究・計算に基づく設計手法の研究・システム開発を行う。

2002年よりコンピューターを用いた折紙創作を続けている。

講師インタビュー

・普段、東京大学ではどのような授業をなさっていますか?

教養学部前期課程では,総合科目の「図と形の科学」を担当しています。立体形状を把握・表現・構想する能力を養い,形状や空間の設計や解析,形からの諸現象・諸技術の理解の基礎を築くことが目的の科目です。図形科学AではCAD・CGを用いた形状モデリング,図形科学演習では曲線折りの設計・模型製作なども行います。

・先生は現在どのようなことを研究されていらっしゃいますか?

プロダクトや建築空間の設計・製造の諸問題を数理的アプローチで解くコンピュテーショナル・デザインです。特に計算折紙(コンピュテーショナル・オリガミ)について研究をしています。これは,折紙を数理的に扱い計算幾何学や数値計算手法を用いて解くことで,工学やデザインへ応用可能とするものです。

・先生の研究分野の魅力をお教えください。

折紙は,芸術・数学・科学・工学・教育などいくつもの領域にまたがる研究テーマです。身近な題材を理論化し,プログラミングし,計算を経て,実際に手で物を作るという流れには,一つのものを様々な視点から捉える知的な刺激があります。異分野の先端的な研究者とコラボレーションできるのも魅力です。

・今回の講座の聞き所を教えてください。

折紙という身近な現象に潜む科学や,計算手法によって高められるデザインの自由度,工学応用の難しさとそれを解決するための視点などを体感頂けると楽しいかと思います。

・計算折り紙の技術はどのような場面で応用されていますか。

ひとつひとつ異なる立体形状に対応してひとつひとつ異なる折り線パターンを計算できるという強みを活かして,一品生産が必要な建築部材への折紙利用がはじまっています。また,剛体折紙の手法を用いて,折り畳めてポータブルになり,軽くて構造強度の高い仮設建築を作る事を目指し,研究を進めています。

・最後に、来場者の方々に一言お願いします。

科学的な視点で折紙を考えることの楽しさを共感頂けたら幸いです。